業務用エアコンには壁掛け形と床置き形の他にも天井に設置する吊り形と埋込み形が存在します。壁掛け形は家庭用と同じように室内機を壁面に設置します。このタイプは小型かつ軽量でパワーが小さな製品が多く、設置費用が他のタイプより安い傾向があります。一般的な業務用エアコンには2.5馬力未満から10馬力までの製品がありますが、壁掛け形は最大でも8馬力となっています。

パワーが小さな製品が多いので小規模な店舗やオフィスなどに最適です。壁掛け形以外はパワーが大きな製品が多いため広い空間にも快適に冷暖房を効かせることができます。ただし床置き形は室内機を床面に設置するので、主に広いスペースを確保しやすい工場や倉庫などで使われています。このタイプは壁掛け形の次に設置費用が安い傾向があります。

業務用エアコンの設置費用はパワーや室内機の数によって変化するので注意が必要です。天井に設置する吊り形と埋込み形は広い店舗やオフィスでも満遍なく空調を効かせることができます。前者は天井にスペースがなくても室内機を設置できますが、後者は天井ふところと呼ばれるスペースが必要です。設置費用は後者の方が多少高くなる傾向があります。

埋込み型は一定のスペースが必要になるものの、室内機が出っ張らないためデザイン性が優れています。省エネ性能が優れているのでランニングコストが安いというメリットもあります。天井に加工を施したくない場合は設置の自由度が高い吊り形を選ぶとよいでしょう。パワーや室内機の数が同じならば埋込み形より吊り形の方が設置費用を安く抑えることができます。